病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解
「病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解」のレビュー・感想

【病気を理解するための新しいアプローチ】
本書の副題に出てくる‘Darwinian Medicine'は、翻訳すると「進化医学」とされる。
リチャード・ドーキンスによれば、生物個体とは遺伝子の乗るビークル(車)と極論することができるという。そのビークルは環境の変化に対応して進化する。そして進化の過程で、遺伝子が種の保存を目的としてプログラムの変更を行い、その結果、以前とは違ったビークルつまり生物個体が遺伝子によって設計・製作される。この個体は、ある流行したウイルスに耐性をもつ代わりに、それ以前には問題のなかった環境に弱くなるというわけだ。泥...
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【進化医学の始まり】
この書籍は英語圏でも広く読まれた進化医学の入門書です。
進化医学は、病気やその症状の進化論的な由来を考察し、それを治療にも利用しようとする試みだといっていいと思います。なお著者の一人ジョージ・ウィリアムズはいうまでもなく、群淘汰が進化の要因なのではなく、個体(包括適応度)が進化の単位であることを論証した進化学会の重鎮です。
他のレビューワーが書いていないことをあえて書くならば、やはり私たち個人は長い進化の過程では、遺伝子のヴィークルでしかないという、ドーキンスのテーマでしょうか。個...

【進化理論と医学のシナジー】
本書は進化理論を医学の世界に導入し、
「病気はなぜ起きるか」ということに対して、科学的・医学的裏づけに基づいて鋭い洞察をしています。
初版年が少し古いですので、遺伝子の数など最新知識でアップデートすべき箇所はありますが、
この発想を取り入れることによって、病気の解明・治療がより一層進むことでしょう。
これまで医学が培ってきた「何が病気を起こすのか(what)」「どのように病気が起きるのか(how)」、
に加えて「なぜ病気が起きるのか(why)」を解明することで、
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【ダーウィニアン医学への招待】
進化生物学で得られた知見を医学に応用するとどうなるかというコンセプトで新しく興ってきているのがダーウィニアン医学という学問領域である.この本は日本語で読める最良の案内書.著者のウィリアムズは有名な進化生物学者,ネッシーは精神医学の専門家でありかつダーウィニアン医学にも造詣が深い.
基本的に医学は病気を治療するための学問領域であり,そこでは当然ながらどういう仕組みで病気になるのかの(進化生物学で言う)至近因の分析が重要である.しかしでは何故そのような状況が進化してきたのかの究極因を考えることに...
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